ベルギーの2日目。
今日は、午前中に小学校(幼稚園が併設されています)の見学、午後からは子どもと家族庁への視察へ行きました。
小学校の見学では、驚きと発見がいっぱいでした。
その、ひとつ目『いろいろごちゃまぜ』。
教室に座る子どもたち、白人・黒人・黄色人種・またその混血の子たちが、一緒に教室で学んでいます。
また、識字障がいのがある子ども、落ち着きのない多動気味の子ども、発達障がいの子どもも混ざっています。
そして、クラスメイトは、それをその子の個性として受け入れています。そういう感じは、見学した授業の雰囲気や子どもたちのやり取りに表れていました。
また、教室に雑音が苦手な子が集中するためのイヤーマフが柱にかけてあり、子どもたちは自由に使えます。
じっとしておくのが苦手な子どもは、バランスボールに座って授業が受けられます。(僕も長時間、じっと座っているのが苦手なため、職場でバランスボールに座って仕事をするようになりました。運動にもなるし、いいですよ)
そして、言葉。ベルギーはひとつの国の中にフランス語・オランダ語・ドイツ語を話す地域があります。
今回の視察先はフランス語圏だったので、フランス語で話をしていましたが、オランダ語を習っている授業も見学しました。
子どもたちの両親は外国からやってきていることも多いため、子どもたちはその両親の言語も話すことができます。
なので、使える言葉もごちゃまぜなのです。
そして、そうしたごちゃまぜさの中で、自然と育つ中で、自分とは違う他者を尊重しながら、自分も大切にしてもらうということを学んでいきます。
ベルギーだから、そうなった点はあるかとも思いますが、この「周りと自分が違っててもいいんじゃない?自分も大切にしたいし、その分、相手も大切にしないといけないよね」という共通認識はなんだか心地よく、日本にも取り入れられるとよいと思います。日本は周りと違うことを、何かと嫌うところがあるので。
ふたつ目は、『環境保護の意識の高さ』です。
小学校の裏手には、農場があり、ここで子どもたちが野菜を育てているとのこと。
学校の授業の間には、コラシオンというおやつの時間があり、子どもたちは家からおやつを持ってきます。
そのおやつも、日本でよくあるようなプラスチックの個包装されたクッキーやビスケットではなく、タッパーに入れたバナナやリンゴ丸ごと、ドライフルーツだったりします。
出されたごみ(バナナの皮や、リンゴのヘタ)などは、生ごみとして集め、コンポスト(畑に設置された生ゴミ捨て場 日本でも田舎の畑とかにありますよね)で肥料になるのを学びます。
そして、さらに進んでいたのが、トイレ。日本ではもう見ることのなくなった、汲み取り式、いわゆるぼっとん便所です。トイレを終えると、砂をかけて、においを防ぐとのこと。このトイレも、糞尿がたまると先生と高学年が一緒に畑へ運んで肥料にするそう。
ぼっとん便所、一周回って新しいものとなっていました。
この小学校は特に力を入れているとのことでしたが、今回の視察全体を通して、ヨーロッパの環境問題への取り組みに対しての意欲の高さを感じました。国連のSDGs(継続可能な発展目標)についても、授業で取り上げられていました。
続いて、子どもと家族庁。こちらは、ベルギーのオランダ語共同体の行政機関です。
母子保健、保育、養子縁組、家族手当などの施策をしています。
この機関の特徴は、すべての世帯を対象にして乳幼児の健診(家庭訪問もします)を12回も行っていて、健診に合わせて予防接種が受けられます。母子手帳や育児の方法のリーフレットは、いろんな国の言葉に対応しており、外国からやってきて、周りに知り合いもおらず、資源のない母親と赤ちゃんをちゃんと見つける仕組みができていました。
この日の視察の帰り道、バスでEUの本部前を通りました。
いろんな国の人たちがここに集って、何かを決めていく。
そういう風土が、ベルギーという国には根付いているのだと感じました。