あおぞら日記

この日もベルギーに足止めです。
それでも、翌日の飛行機で、上海経由で帰れることになりました。
団員全員分のチケットは取ることができず、一部の団員は翌々日にモスクワ経由で帰ることになりました。
先に帰る便を譲っていただいて、助かりました。
仕事もありますし、家族も待っているので、名残惜しいのですが、これ以上長くはいられませんでした。

最終日、高校時代の同級生の一家(旦那さんと子ども3人)と、団員らと一緒にブルージュという街へ行きました。
僕はベルギーの観光については、まったく調べていかなかったのですが、どうやら有名なところらしいです。

ブリュッセル駅

ブリュッセル駅

観光の日も、研修関連のアンテナは立ってました。

駅で見つけたミッシングチルドレンのポスター

駅で見つけたミッシングチルドレンのポスター

ブルージュ集合写真

ブルージュ集合写真

ブルージュの町並みはとてもきれいで、ギザギザの屋根の部分の作りは、この地方ならではなのだそうです。

ブルージュの建物

ブルージュの建物


街の真ん中には広場があり、高い建物がありました。時間になると鐘が鳴ります。上まで登ることができるとのことで、登ってみました。

広場の建物

広場の建物

上から街を見下ろすと、きれいな街並みが広がっていました。

建物からの風景

建物からの風景

きれいな街並みが観光地となっているようで、観光客向けのいろんな店がありました。

チョコレートでできた骸骨のディスプレイ

チョコレートでできた骸骨のディスプレイ

カフェで食べたワッフル

カフェで食べたワッフル

ブルージュの教会内部

ブルージュの教会内部

ブルージュの教会内部②

ブルージュの教会内部②

ブルージュについてからは、自由行動。この場所が待ち合わせ場所と決まりました。
ボートに乗る人、ビールの蔵元へ行く人、広場の塔に登る人(僕、行きました)、それぞれ目的があるようでした。

待ち合わせのごみ箱

待ち合わせのごみ箱

待ち合わせ完了!

待ち合わせ完了!

ブルージュから帰っての最後の夜。荷物の整理も終え、団員の方たちと遅くまでおしゃべりしました。
翌日には一部の団員の方を残して帰国。その後、全員が揃って会う日はずいぶん先となります。
というか、今、気が付いたのですが、全員で合う日は、まだ訪れていません。

最後の夜 男性陣の部屋

最後の夜 男性陣の部屋

研修視察場所もすべて終え、いそいそと帰国…の予定が!

なんと、台風19号の接近に伴い、飛行機が運休。
帰りたくても帰れない。
旅行会社の方が大急ぎで手配をしてくださいましたが、数日遅れで2班に分かれての帰国となりました。

僕もいくつかの仕事の予定が入っていたので、この日の朝(ベルギーの7時は日本の14時)にあおぞらにライン電話で、職員さんに細かな仕事の引継ぎを30分くらいかけてお願いしました。ここで分かったことですが、ライン電話があれば、ベルギーでもいつも通りの仕事がある程度はできてしまうということです。リモートでした。
この引継ぎが終わるまでは、なんだか落ち着かなかったのですが、これを終えると、「もう、あとはどうしようもないや」という心持ちに。
そして、しばらくすると、「きっと2度目はないから、こちらで見られる所は見ておこう」という気持ちに変わりました。
皮肉なことにこちらはいい天気。

小便小僧 想像より小さい

小便小僧 想像より小さい

街の風景①

街の風景①

街の風景②

街の風景②

広場でデモがされてました。内容は分からなかったですが、何か公に対して訴える方法としてのデモが日本に比べて身近にあるように感じました。自分たちの声を社会に届かせようという動きがしやすい感じがします。

デモ 主張は分からず

デモ 主張は分からず

この日のホテルの部屋からの夕焼け。荷物の片づけや資料の片づけしながら、ぼーっと見ました。
もしもの時のために持ってきた、サトウのご飯とインスタントのお味噌汁での夕食。
結局、こういうのが必要なんだなぁと、美味しく食べました。

この日の夕焼け(ホテルの部屋から)

この日の夕焼け(ホテルの部屋から)

いよいよ視察の最終日。この頃には、ホテル(朝の確認)→視察先→お昼ご飯→視察先→夕食→団員のまとめと予習→寝る の日課に慣れてきている自分がいました。

この日は午前中、ONE(出生児童事務所)へ行きました。
ONEは、フランス語共同体の母子保健を担う機関です。8日に訪れた子どもの家族庁(オランダ語共同体)のフランス語共同体版です。
その事業は大きく2つに分かれており、1つ目は子どもの家庭環境や保護者を支える仕組み(母子保健・学校での検診・養子縁組・虐待対応)で、2つ目は家庭外保育施設(保育所・乳児院・学童保育・休暇支援施設)の認可と助成です。
今回は母子保健の中核を担う、健診センターへお邪魔しました。

講師は医師と看護師さんたちです。ここでは、子どもの健診と予防接種を行っています。看護師さんたちがチームになって、新生児の家庭訪問から始めています。地域の母親同士の交流(ママ友づくり)のため、ベビーマッサージ教室を開催しています。
虐待などのリスクが高い家庭を見つけた際には、SOS子どもチーム、AGAJと連携をして、対応に当たります。

ONEの入っている建物入口

ONEの入っている建物入口

医師、看護師の方たち、みんな懐が深く、なんでも受け止めてくれる雰囲気です。頼りがいがあり、きっと母親も相談しやすいのだろうと思いました。

ONE 講師(医師・看護師)

ONE 講師(医師・看護師)

ベビーベッド ベビーマッサージ教室でも使われる

ベビーベッド ベビーマッサージ教室でも使われる

子どもを診察する部屋は、明るくて、広くて、いい雰囲気です。
医師の机の周りも、なんだかいいですよね。

診察室

診察室

医師の机

医師の机

部屋に掲示されているポスターは、当然ですがごちゃまぜ。
いろんな人種の人がいるのが当たり前なので、いろんな赤ちゃん、いろんな母親がいます。
そう考えると日本のポスター、もっと多様性を持たせてもいいように思います。

掲示されていたポスター

掲示されていたポスター

掲示されていたポスター② 母乳のススメ

掲示されていたポスター② 母乳のススメ

午後からはクレール・ヴァロン小児医療センターへ行きました。
ここは、病院に併設された入所型の治療施設で、敷地内に病院・学校・子どもたちが生活する場所があります。
対象となるのは、0~18歳までの児童で、130名までが入所できます。入所の期間は1年で、最大で2年だそうです。
心理医療部門は、日本でいう児童心理治療施設に似ているように思いました。虐待関連の入所児童の割合が多いのもよく似ています。
副院長先生の講義では、入院時の子どもの評価(アセスメント)と退院時の評価との比較で、どれだけ子どもの発達が促されるのかという結果を教えてもらいました。

クレール・ヴォラン副院長

クレール・ヴォラン副院長

院内学級の見学もさせてもらいました。発達面の遅れがある子どもには、感覚統合を促すため、写真のような視覚・触覚に訴える場所が準備されていました。

院内学級校長先生

院内学級校長先生

院内学級の一部

院内学級の一部

こちらの教室にもバランスボールがありました。子どもたちが自分で落ち着いて授業が受けられるように工夫できる環境が整えられています。

ここの視察で印象的だったのは、『紙芝居』と漢字で描かれた教材が置かれていたことです。今回の視察先で出会った日本のもの(ピカチュウなどのキャラクターは除く)はこれくらいでした。紙芝居、見直しました。

院内学級 教室

院内学級 教室

院内学級 教室

院内学級 教室

紙芝居

紙芝居

心理治療も実施しており、こちらではアートセラピーを行っているとのこと。大体週に1回実施。
この時はみんなで仮面作りをしていました。
日本でよくある、プレイセラピーは行われていないみたいでした。

アートセラピー担当者

アートセラピー担当者

アートセラピー作品

アートセラピー作品

その他の特色としては、肥満児のケアの部門や、マザーベビーユニットという赤ちゃんと母親(時に父親も)一緒に入所して治療を受けるユニットがあることです。

子どもたちが作ってくれたアトミウム

子どもたちが作ってくれたアトミウム

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同じ場所で、SAJ(青少年支援局の司法保護サービス)のケースワーカー(デレゲ)の方のお話を伺いました。
ベルギーにはデレゲ総代表という方がおられ、この方がポーランドのオンブズマンのように子どもの代弁者となり、子どもの権利を擁護します。そのデレゲ総代表から権限を委託された人をデレゲと呼ぶそうです。
講師の方も研修を受け、権限を委任され、児童の司法保護に関わっています。本人や家族の同意を取るのが難しいケースに対応されているそうです。効果的な支援のためには、本人や家族の同意を得ることが重要となるため、何とか説得し協力者となってくれるように、日々悩みながら努力されているとのことでした。

SAJ デレゲの方

SAJ デレゲの方