あおぞら日記

研修視察場所もすべて終え、いそいそと帰国…の予定が!

なんと、台風19号の接近に伴い、飛行機が運休。
帰りたくても帰れない。
旅行会社の方が大急ぎで手配をしてくださいましたが、数日遅れで2班に分かれての帰国となりました。

僕もいくつかの仕事の予定が入っていたので、この日の朝(ベルギーの7時は日本の14時)にあおぞらにライン電話で、職員さんに細かな仕事の引継ぎを30分くらいかけてお願いしました。ここで分かったことですが、ライン電話があれば、ベルギーでもいつも通りの仕事がある程度はできてしまうということです。リモートでした。
この引継ぎが終わるまでは、なんだか落ち着かなかったのですが、これを終えると、「もう、あとはどうしようもないや」という心持ちに。
そして、しばらくすると、「きっと2度目はないから、こちらで見られる所は見ておこう」という気持ちに変わりました。
皮肉なことにこちらはいい天気。

小便小僧 想像より小さい

小便小僧 想像より小さい

街の風景①

街の風景①

街の風景②

街の風景②

広場でデモがされてました。内容は分からなかったですが、何か公に対して訴える方法としてのデモが日本に比べて身近にあるように感じました。自分たちの声を社会に届かせようという動きがしやすい感じがします。

デモ 主張は分からず

デモ 主張は分からず

この日のホテルの部屋からの夕焼け。荷物の片づけや資料の片づけしながら、ぼーっと見ました。
もしもの時のために持ってきた、サトウのご飯とインスタントのお味噌汁での夕食。
結局、こういうのが必要なんだなぁと、美味しく食べました。

この日の夕焼け(ホテルの部屋から)

この日の夕焼け(ホテルの部屋から)

いよいよ視察の最終日。この頃には、ホテル(朝の確認)→視察先→お昼ご飯→視察先→夕食→団員のまとめと予習→寝る の日課に慣れてきている自分がいました。

この日は午前中、ONE(出生児童事務所)へ行きました。
ONEは、フランス語共同体の母子保健を担う機関です。8日に訪れた子どもの家族庁(オランダ語共同体)のフランス語共同体版です。
その事業は大きく2つに分かれており、1つ目は子どもの家庭環境や保護者を支える仕組み(母子保健・学校での検診・養子縁組・虐待対応)で、2つ目は家庭外保育施設(保育所・乳児院・学童保育・休暇支援施設)の認可と助成です。
今回は母子保健の中核を担う、健診センターへお邪魔しました。

講師は医師と看護師さんたちです。ここでは、子どもの健診と予防接種を行っています。看護師さんたちがチームになって、新生児の家庭訪問から始めています。地域の母親同士の交流(ママ友づくり)のため、ベビーマッサージ教室を開催しています。
虐待などのリスクが高い家庭を見つけた際には、SOS子どもチーム、AGAJと連携をして、対応に当たります。

ONEの入っている建物入口

ONEの入っている建物入口

医師、看護師の方たち、みんな懐が深く、なんでも受け止めてくれる雰囲気です。頼りがいがあり、きっと母親も相談しやすいのだろうと思いました。

ONE 講師(医師・看護師)

ONE 講師(医師・看護師)

ベビーベッド ベビーマッサージ教室でも使われる

ベビーベッド ベビーマッサージ教室でも使われる

子どもを診察する部屋は、明るくて、広くて、いい雰囲気です。
医師の机の周りも、なんだかいいですよね。

診察室

診察室

医師の机

医師の机

部屋に掲示されているポスターは、当然ですがごちゃまぜ。
いろんな人種の人がいるのが当たり前なので、いろんな赤ちゃん、いろんな母親がいます。
そう考えると日本のポスター、もっと多様性を持たせてもいいように思います。

掲示されていたポスター

掲示されていたポスター

掲示されていたポスター② 母乳のススメ

掲示されていたポスター② 母乳のススメ

午後からはクレール・ヴァロン小児医療センターへ行きました。
ここは、病院に併設された入所型の治療施設で、敷地内に病院・学校・子どもたちが生活する場所があります。
対象となるのは、0~18歳までの児童で、130名までが入所できます。入所の期間は1年で、最大で2年だそうです。
心理医療部門は、日本でいう児童心理治療施設に似ているように思いました。虐待関連の入所児童の割合が多いのもよく似ています。
副院長先生の講義では、入院時の子どもの評価(アセスメント)と退院時の評価との比較で、どれだけ子どもの発達が促されるのかという結果を教えてもらいました。

クレール・ヴォラン副院長

クレール・ヴォラン副院長

院内学級の見学もさせてもらいました。発達面の遅れがある子どもには、感覚統合を促すため、写真のような視覚・触覚に訴える場所が準備されていました。

院内学級校長先生

院内学級校長先生

院内学級の一部

院内学級の一部

こちらの教室にもバランスボールがありました。子どもたちが自分で落ち着いて授業が受けられるように工夫できる環境が整えられています。

ここの視察で印象的だったのは、『紙芝居』と漢字で描かれた教材が置かれていたことです。今回の視察先で出会った日本のもの(ピカチュウなどのキャラクターは除く)はこれくらいでした。紙芝居、見直しました。

院内学級 教室

院内学級 教室

院内学級 教室

院内学級 教室

紙芝居

紙芝居

心理治療も実施しており、こちらではアートセラピーを行っているとのこと。大体週に1回実施。
この時はみんなで仮面作りをしていました。
日本でよくある、プレイセラピーは行われていないみたいでした。

アートセラピー担当者

アートセラピー担当者

アートセラピー作品

アートセラピー作品

その他の特色としては、肥満児のケアの部門や、マザーベビーユニットという赤ちゃんと母親(時に父親も)一緒に入所して治療を受けるユニットがあることです。

子どもたちが作ってくれたアトミウム

子どもたちが作ってくれたアトミウム

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同じ場所で、SAJ(青少年支援局の司法保護サービス)のケースワーカー(デレゲ)の方のお話を伺いました。
ベルギーにはデレゲ総代表という方がおられ、この方がポーランドのオンブズマンのように子どもの代弁者となり、子どもの権利を擁護します。そのデレゲ総代表から権限を委託された人をデレゲと呼ぶそうです。
講師の方も研修を受け、権限を委任され、児童の司法保護に関わっています。本人や家族の同意を取るのが難しいケースに対応されているそうです。効果的な支援のためには、本人や家族の同意を得ることが重要となるため、何とか説得し協力者となってくれるように、日々悩みながら努力されているとのことでした。

SAJ デレゲの方

SAJ デレゲの方

この日は、午前中にAGAJ(青少年支援局)の視察へ行きました。

AGAJは、フランス語共同体の行政機関で、ワロン・ブリュッセル連合の子どもの家族福祉の予算と施策を担っています。
児童の家庭支援や、児童保護、非行少年への対応、養子縁組の対応などをしています。
ベルギーでは、『予防』をキーワードに、子どもやその家庭へアプローチをしているそうです。
子どもの虐待や非行などの問題が深刻になる前に、地域の繋がりや取り組みで防ごうというものです。
予防のための課があり、そこから地域の子育て支援のための認定サービスが提供されます。地域によって、ニーズが異なるため、それぞれの地域の代表者会議などを開き、その地域に即したサービスが提供できるようにしているそうです。人が集える場所を作るにしても、それをスケートボード場にするのか、遊具のある公園にするのか、体育館にするのか、地域のニーズと目的とを合わせて検討できるという点はすばらしいと思いました。

AGAJ講義風景

AGAJ講義風景

予防の取り組みをした上で、それでも家庭から離れて暮らさなくてはならない子どもについては、本人と保護者の同意を取り、施設や里親などを利用します。同意が取れない場合には、裁判官の判断を仰ぎますが、基本的には家族の同意があって、支援を進めていく(その方が改善しやすいため)方針です。また、ベルギーにおいても、ポーランド同様、子どもは元の家族の下で育てられるべきという原則があり、子どもへの支援も子どもの最善の利益を考えながら可能な限り、その原則に則って行われます。

講義を聴く風景

講義を聴く風景

 

午後からはSOS Enfants(虐待対応チーム)の視察へ向かいました。

僕らが見学したのは、大学病院に付設された虐待対応チームです。
団員は最初に簡単な講義を聞いた後、3つのグループに分けられ、見学・視察をしました。
僕は大学病院の産婦人科内の施設を見学しました。こちらでは、赤ちゃんを産む前の母親が通院、入院をしています。
母親は、心理士や医師と面接をし、出産までの相談や悩みを聴いてもらいます。
胎児期の母体の環境が、乳児に及ぼす影響も考慮されています。
例えば、飲酒をする母親から生まれる子は、低体重児が多かったり、母親が父親と口喧嘩をしていたり、ストレスが多いと、そのことは乳児に直接伝わります。
妊娠・出産の時期に母親(と胎児)を安定した環境に置くことで、出生時の発達の遅れのリスクや出生直後の虐待、また、母親の産後うつへの予防をしているとのことでした。

医師らのケース会議に陪席した団員の話では、取り上げられたケースの母親について、移民のため言葉が話せないようだから、近くの語学スクールへ行けるようにしましょうなど、母子がこの地域で暮らしていくための具体的な対応についても話されていたそうです。

SOS 入り口

SOS 入り口

児童精神科医の講師の先生

児童精神科医の講師の先生

セラピストの講師の先生

セラピストの講師の先生

ポーランド、ベルギー、両国で見かけた乗り物。下の写真の電動キックボードです。LIME(ライム)という名前です。
携帯電話のアプリがあれば、借りることができます。例えば、駅前に置かれているライムで、会社に出勤。ライムにGPSが付いていて、管理会社が回収や充電をするため、好きな場所で乗り、好きな場所で降りられます。
観光客も借りられ、観光の足にできます。スピードは自転車くらいの速さが出ます。
道路も整備されていて、歩行者が歩く部分と、自転車やライムが走る部分とに分けられています。
タクシーを使うよりも安く、排気ガスも出ません。環境への配慮がこういうところにも見えました。

LIME(ライム)

LIME(ライム)

今回の研修で、通訳を務めてくださった栗田さん、実はベルギービールを日本に広めた第1人者なのです。
他にも、若くしてベルギーに渡り、里親をされ、ジャーナリストもされていたり、話題と経験が豊富な方です。この日の研修の夕方、ベルギービールについての講義をしていただきく機会を得ました。
それぞれのビールに合ったグラスがあることや、ベルギーのビールはいろんな色や味があって、アルコール度数もまちまち(中には10度を超えるものもありました)であることなど教えていただきました。
とにかく種類が多いので、団員でいろんな種類を注文し、それを一口ずつ試飲しました(新型コロナウイルス前なので可能でした)。ひとつずつに個性があり、好みも分かれます。ここにも多様性の片鱗が…。日本のビールって、大体同じ色と同じような味ですもんね。

いや、悪口言ってるわけではないんです。…好きです。

通訳の栗田さん、実は日本にベルギービールを広めた第1人者

通訳の栗田さん、実は日本にベルギービールを広めた第1人者

ベルギービール屋さんの棚

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